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災害はいつ起こるか分からない

東日本大震災から7年が経ちました。3月11日の前後には、テレビなどで災害や防災についての特集を目にした方も多いのではないでしょうか。このような災害はもう二度とあってほしくないと祈るばかりですが、残念ながら、日本では今後も大規模地震などの災害が起こるだろうと想定されています。 
いつ起こるか分からない災害。いざという時に少しでも被害を抑えるためには、個人や企業から行政まで、また物資、仕組み、心構えなど、さまざまなレベルで多角的に災害に備えておく必要があります。 

 

防災マニュアルを作成してみて


テンハート訪問看護ステーションでは、設立当初に地震・津波・火災などに備えて独自の防災マニュアルを作成しました。 

しかし、何もなければしまい込んでしまいがちなのが防災マニュアル。 

それでは意味がないと、先日スタッフ間で、災害に関する学習会を行いました。マニュアルの周知と新年度に当たっての見直し、スタッフの防災意識の向上が目的です。 

 

訪問看護ステーションにおける防災マニュアルの作成には、難しい点がいくつかあります。 

まず難しいのが、従業員が一か所に集まっていないので、災害が起こった時に誰がどこにいるか分からないという点です。テンハートは名古屋市全域を訪問の対象にしていて、その中でみんなバラバラに活動しています。 

次に、利用者さんごとに重症度、介護度、住宅環境、ご家族との同居別居などの状況がまったく異なるという点があります。 

どの従業員が、どこで、どの利用者さんといるかによって、求められる対応はさまざまに変わってきます。そのため、画一的なルールを作ることが難しいのです。 

 

災害シミュレーションを実施
 
今回の学習会では、実際にその日に災害が起こったと想定して、どのように対応すればいいかをみんなで話し合い、シミュレーションを行いました。 

 

―――3月13日の11時、津波の危険を伴う大規模地震が発生したとします。 

 

「この時間だと、スタッフAは南区のFさん宅で入浴介助中、スタッフBは中川区のGさんと歩行訓練中、スタッフCとDは自転車で移動中、スタッフEは昭和区のHさん宅で処置中ですね。それぞれどのように行動しますか?」 

「まずは自分と利用者さんの身を守ることが第一です。外にいたら、なるべく道路から離れて、広い場所で身を伏せます」 

「お風呂にいたらどうしたらいいだろう?転倒しないように気を付けて、扉はできたら開けるのかな。Fさんは医療器具を使っているから心配」 

「Hさんは寝たきりで動けないから…一人で動けない人を守るにはどう行動するのが最善なんだろう。体になるべくたくさん布団をかけて守るとか。家屋の耐震についても心配があります」 

「Fさん、Gさんの家は津波の危険区域でもありますね」 

「地震の後、情報を得る手段は利用者さんの家のテレビや自分の携帯電話、防災無線…。外に出ていたらテレビは見られない。携帯は常に持っていないと。それに、津波の可能性がある時に避難できる建物を知っておかなければならないね」 

「津波避難ビルというのが指定されていて、この場所なら最寄りはここですね」 

 

背の高い家具から離れる、頭を守る、車道に近寄らない…これらの基本はマニュアルにも定めてありますし、もちろん皆も知っています。が、訪問中の場合だと、簡単にはいきません。どの利用者さんと一緒にいるか、どこの場所にいるか、それによってどうすればいいか、1件1件シミュレーションして、課題を挙げていきました。 

地震の瞬間を乗り切ったとしても、課題はまだまだありました。 

 

「地震のあと、緊急で訪問する必要がある利用者さんがいるかもしれない。マニュアルでは、その場合は優先順位を検討して訪問、となっているけど」 

「でも、そもそも訪問先から戻ってこられないのでは…。交通手段があるかどうかも分からないし、安全が確認できるまでは、最寄りの避難所で待機だよね」 

「利用者さんと一緒に避難するとしても、利用者さんが立てない、歩けない方の場合は?助けてくれる地域の仕組みが何かあるのかな」 

「実際に利用者さんと一緒に避難訓練ができたらいいね」 

「地震がおさまったら、なるべくスタッフ間で連絡を取り合わないと。電話がつながらない場合の対処方法は、マニュアルに定めてあるね。でも、もし管理者が事務所に戻れなかったら、指揮系統はどうするの?」 

 

 

―――と、いう感じにみんなで議論を行いました。 

マニュアルの穴、定め切れていない問題点、疑問点を挙げていけばきりがないくらいで、1時間以上かけて話し合いました。これらの問題に、正解というものがあるかどうかは分かりません。しかし、もっと知りたいこと、調べなければならないこと、やってみなければならないことなどの課題がたくさん見つかりました。 

見つかった課題は宿題として、みんなで調べ、共有し、防災マニュアルの改訂に活かしていくことになりました。そして、これ限りの取り組みで終わらないように、今後は2週間に1回、こうした災害シミュレーションを継続して行っていくことになりました。 

 

今回の学習会を終えて
 
この学習会の後、それぞれのスタッフの意識が少し変わりました。  

「もし今地震が起きたら、自分はどう行動する?」「この近くに高い建物はあるかな?」「このお宅なら、避難場所はあそこだな」…仕事の途中、そういうことを考えるようになりました。 

いつ起こるか分からず、想定しきれないのが災害です。万全を期すことはなかなか難しいけれど、普段から意識を持っていることに、必ず意味はあるはずです。テンハート訪問看護ステーションでは、今後も災害、防災についてスタッフ一同で考えていきます。 

近藤 協子
近藤 協子
看護師/保健師
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フィトセラピーで癒されまくりです

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